沖縄電気軌道(市街地路面電車)
観音堂(かんのんどう)View

 坂下から観音堂への坂を登る電車、下の県道より勾配が緩いことがわかる。現在の都ホテル前から観音堂までは、ほんの僅か100mもないのに、電車は大きく右へ回りこみ、S字を逆にたどるようにして高度を稼ぎ、やっと観音堂にたどり着く。
 観音堂は海路の安全を護るお堂で、境内から東シナ海や慶良間諸島が一望でき、電車が開通するまでの徒歩では、汗をぬぐい海を見、一息つける名勝であった。琉球舞踊の一つに「旅の出立ち観音堂千手観音伏して拝んで…」とあるよう、電車の車窓から合掌する光景もあったとか。

 この坂を登り切って右に回りこんだら観音堂、朝露でレールが濡れ車輪が空回りするので、電車の前の救助網に車掌を乗せ、砂を撒きながらゆっくりと登っていったという。坂下から観音堂へのS字状ルートは、一種のスイッチバックのようでもある。この複雑で勾配の激しい起伏を縫っての、専用軌道は線路フアンとしては嬉しい光景で、推定したルートは ↓ のとおり。

  Google Earth Pinmap   “首里坂” Rootmap
* ↓ の駅名をクリックすると、別ウィンドゥで画像を表示します
通  堂 渡 地 前 見 世 前 郵 便 局 市  場 松 田 矼 大 門 前 久  米 西 武 門 裁 判 所 若 狭 町 潟  原 兼  久 泊 高 矼 泊 前 町 崇 元 寺 女 学 校, 坂  下 観 音 堂 首  里
 
(本コンテンツの画像と記述は、加田芳英著「図説 沖縄の鉄道」と、絵・松崎洋作/文・船越義彰著「おきなわの路面電車」より出展)