先の登山(ラック)鉄道で興味をひかれたのは、ラック駆動区間より粘着区間だった。ラックはその登坂と線路技術から直線が多いが、粘着方式は摩擦限界まで登攀するので、どうしてもカーブやループにより高度を稼ぐ。地形に合わせてクネクネと曲がる線路が面白い。  粘着駆動方式による曲線の線路をピックアップし、典型的な例として数件をまとめた。スイスの世界鉄道遺産「レーティッシュ鉄道」、台湾の「阿里山森林鉄道」とアメリカの「テハチャピループ」が、複雑な曲線の連続の顕著な例として地図で紹介する。
 
レーティッシュ鉄道:アルブラ線/ベルニナ線(スイス南東端)

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ベルニナ線の名所 ブルージオのオープンループ
このループは半径50-70m、勾配70パーミルで360度を回る

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石造のループ橋は沿線の名所のひとつとなっている
レーティッシュ鉄道 ウィキペディア
 
阿里山森林鉄道(台湾中央山地)

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左のグーグルマップではループを簡略化しているが、建設当時のループは三重+8の字ループになっている
下の阿里山森林鉄道の時刻表看板の、路線図と比較してみると面白い
阿里山森林鉄道 ウィキペディア
 
テハチャピ・ループ(アメリカ カルフォルニア州LA北方)

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左上カーブの頂点とループを廻った右下のカーブの頂点とは、
直線距離にしてわずか1kmのところを3.6kmと大廻りしている
テハチャピ・ループ ウィキペディア