金井本によると沖縄の旋法は、巷間にいわれる「レ(D)・ラ(A)抜きの、単純な音階だけでなく、レ(D)を含む曲が圧倒的に多い。しかし、この場合は単なる経過音であり、主たる旋法構成音ではない。
「悪魔の音程」は琉球音楽の魅力
西洋音楽(音階)、とくに宗教曲では固く禁じられた、増4度音程は「悪魔の音程」といわれ、和声/対位法でもある限られた条件下でしか許されない。
増4度を含む音階は必然的に、長7度の音階となり、作編曲では禁則とされている。
しかし、この西洋音楽では認められない、増4度/長7度は琉球楽では、古くから使いこなされていて、その明るい悲哀を醸しだす、琉球旋法特有の特性となっている(金井喜久子)。 |
三線は文字通り三弦楽器であり、低音の男弦(ヲゥーヂル)、中絃(ナカヂル)、高音の女絃(ミーヂル)があり、調弦の基本は「本調子」のド(C)/ファ(F)/ド(C)、「二揚げ」のC/ソ(G)/Cや、「三下の」C/F/シ(B)
、時にはシはフラット(♭)は少ない。
三線の調べは謡者の声域に合わせて、調弦はかなり上下する。また、勘所や音声は西洋音階の、半音以下の揺れもあり、西洋音階では表現できない。従って五線譜によるMidiでは、微妙な音の揺れが表現できない。
弦を押さえる「勘所」には、男弦の開放ポジションCを、「合」と呼び順に乙老、中弦の四上中尺、女弦の工五六七八…と名付けられている。
下記の工工四譜も勘所名で記されており、音(高)名でなく勘所(指押え位置)であり、極めて異質で特異な譜面(と呼べるか)? ではある。 |