まな兵衛落書帳トップ表紙(メニュー)に戻ります

 左のレコードはジョージ・ガーシュインが、自作のラプソディ・イン・ブルーを、自ら弾きピアノ・ロールに記録したものを、1976年にスタジオで再生しながら、マイケル・ティルソン・トーマスが指揮をする、コロンビア・ジャズ・バンドが伴奏したもの。

 ラプソディ・イン・ブルーは、ガーシュインが1924年の26歳の時に作曲し、作曲を依頼したポール・ホワイトマン・バンドが初演した。ガーシュインはピアノ譜で作曲し、これをホワイトマン・バンドの編曲者であった、グローフェがジャズ・バンド用に編曲した。

 初演時の楽器編成は、木管x5(12種を持ち替え)、金管x7、打楽器x3、ピアノx2、弦楽器x7+Banjoであった。この年にアコースティック方式でレコーディングされたが、27年のエレクトリック・レコーディングでは、木管と金管部に一部の差し替えがある。27年のレコーディングをこちらで聴くことができる
 
 グローフェは42年にシンフォニー・オーケストラ用に編曲し直したが、今日ではそのオーケストレーションから、サックスの役割を低減し、バンジョーを弦楽器に置き換えた編曲が広く用いられている。

 一方、24年にガーシュインは自動ピアノを用いて、ピアノ・ロールを残していた。ピアノ・ロールとはピアノを弾くことで、巻紙に穴を開ける仕組みで録音する。この音の穴が開いたロールを、自動ピアノで再生することで、生のピアノの音で再現される。

 76年に企てられたこのレコードは、ガーシュインのピアノ・ロールによるソロに合わせて、グローフェのオリジナル編曲に手を付けず、ホワイトマン・バンドの編成を忠実に再現し、ハイファイ録音されたという貴重な録音だ。



 1小節目のかの有名な、クラリネットによるグリッサンドは、ガーシュインとグローフェが、クラリネット奏者と何時間もかけて練習したということだ。なお、グローフェとは、フェルデ・グローフェであり、後にグランド・キャニオンや大峡谷を作曲した、アメリカを代表する作曲家である。
 
 このレコードを手に入れたのは、いつのことだったかハッキリとは覚えていないが、市の吹奏楽団に在籍していた時に、楽団のサックス奏者である、楽器店に勤めていた女の子に、社員価格で買ってもらった。しかし彼女は仕事柄多忙でなかなか練習で会えず、代金を彼女の楽器ケースに入れておく約束をしたが、遂に実現しないままともに退団し実現していない。  このコンテンツは、私のライフワークであるジャズから、ちょっと外れるが、ガーシュインのソングはスタンダード・ナンバーとして、よくジャズで演奏されており、さらに手元に15曲の楽譜があったので、それらのDTM化を企てがてら、コンテンツをでっち上げることにした。まだまだ工事中であり、徐々に充実させていくつもりである。