ロック・アンド・ロール発祥の地「メンフィス」は、アメリカのディープ・サウスに位置しミシシッピー河岸に発達した。 南北戦争以前は綿花と奴隷市場で栄え、南北戦争中は北軍の拠点とされた。

 第一次世界大戦により閉鎖された、ニューオリンズのストーリービル(紅灯街)を追われたジャズメンたちが、 ミシシッピーをリバーボートや貨物列車にタダ乗りしてメンフィスに定着した。

 1910年台には セントルイス・ブルースのW.C.ハンディーも拠点とし、メンフィス・ブルーズやビールストーリー・ブルーズを作曲した。 そんなジャズの遺産を引き継ぎメンフィスでロックが誕生した。

 本路面電車シリーズでニューオリンズの路電を、 “ジャズ電” と名づけたがメンフィスは“ロック電”としよう。 双方の街ではヴィンテージ・トロリー(遺産路面電車)を走らせているのも、ジャズが取り持つ縁だろうか?

 ハンディが作曲したビールストリートには「ロック’ン・ソール博物館」があり、 全米や全世界からロック・ミュージシャンが、メッカのごとく参集し賑わっているという。

 ミシシッピー河畔を南北に貫通するメイン・ストリートは、中心部がトランジットモールで路面電車のみが通行している。 そして ピーター・ウィット バーニーのヴィンテージカーを復元している。

 より河畔側にはリバーフロント線もあり、メインストリート線とループで結ばれている。 メインストリートの中心部から東に分岐し、ミッドタウンに向かうマディソンアベニュー線は、モダンな低床LRTを走らせている。

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アムトラック中央駅からビール・ストリートで下車、Rock'n Soul Museum/W.C.ハンディ博物館まで、ストリートビュー・アニメ
   
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それではアムトラックの中央駅からメインストリートを北上してみよう
写真の右側がアムトラック中央駅 中央駅交差点の北方向
オルフェウム劇場 左右の道がビールストリートで Rock'n Soul Museum は左(東)へ2ブロック
←↑↓ マディソン・ストリート線の分岐が見える

昼間のトランジットモールは閑散としている
ピーター・ウィット車(黄色)とバーニー車(赤色)
メインストリート北端の車庫
Rock'n Soul Museum