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映画「セントルイス・ブルーズ(1958)」で、アーサ・キット扮するゴゴ・ジャーマインが“イエロードッグ・ブルーズ”を歌う
バックミュージシャンにはTedy Buckner/Barney Bigard/George"Red"Callender/Lee Young/George Washingtonなど
( ↑ の画像をクリックすると、YouTubeの動画でこの場面をみることができます)
 
 ナット・”キング”・コールが主演し、アーサー・キットが助演の映画 「セントルイス・ブルーズ」は、同名のスタ ンダード・ナンバーを作曲したW.C.ハンディーの物語。

 映画ではアーサー・キットのゴゴ・ジャーマインが、ハンディーの曲に歌詞をつけたてヒットさせたことになっている「イエロードッグ・ブルーズ」は、1914年の作曲。

 彼の才能を見出し彼の作曲した曲に,、歌手としてナイトクラブで歌ってヒットさせたのが、アーサ・キット扮するゴゴ・ジャーマイン。彼女はポピュラー歌手だがジャズも歌える。
 映画には演技者としてマヘリア・ジャクソンや、ミュージシャンとしてのエラ・フィッツジェラルド、バニー・ビガード、ジョージョ・ワシントンなどが出演している。 聖歌隊のメンバーであるマヘリア・ジャクソンが、黒人教会で牧師の息子であるW.C.ハン ディーが弾く、讃美歌のオルガンがスイングしはじめて歌うゴスペルは圧巻のシーン。
映画「セントルイスブルース」のあらすじ
←クリックすると曲が聴けます
 W.(ウィリアムズ)C.(クリストファー)・ハンディーは、イエロードッグ・ブルーズに続いて作曲したセントルイス・ブルーズが大ヒットし、ブルーズの父とか王様として成功を収めた。 ハンディーはブルーズの父とかいわれているが、 ブルーズはもっと前からミシシッピ州を中心とした、 南部の黒人奴隷発祥の音楽で、イエロードッグの元歌もそうだ。  これより先にはメンフィス・ブルーズ(1912)が作曲され、譜面も印刷かされ販売されていて、既に作曲家として実績を上げつつあった。 メンフィス・ブルーズの元歌はミスター・クランプといい、1909年に作曲された保安官の選挙応援歌。これは映画にも描かれて、 ナット・キング・コールが扮するハンディは、軽やかにコツネットを吹いている。
 アーサ・キットのゴゴ・ジャーマインが名づけ、歌詞を作ったという「イエロードッグ・ ブルーズ」の ”イエロードッグ” とは、南部の鉄道ミシシッピーバレー鉄道の別称。 "I'm goin' where Southern cross the Dog"の歌詞のように、イエロードッグ線とサザーン線が直角に交わる分岐点あたりの、ディープサウス(最深南部)が、 ブルーズの生まれ故郷だ。

 この両線の平面直角交差はミシシッピー州のムーアヘッドというところにあり、ブルーズ愛好家の聖地となっている。 というのは1910年の前半にW.C.ハンディがこの地をドザ周りで訪れたとき、駅の前で黒人がギターを膝の上に平らに置き、ナイフの刃先をピックがわりに、 ブルーズを演奏しているのを見たという。その時に耳にしたブルーズが心に残り、後にイエロードッグ・ブルーズとして出版したらしい。

 イエロードッグ線は1882年にイリノイ・セントラル鉄道によって敷設されたが、現在は廃止され道路になっている。 ムーアヘッドで平面交差するサザーン線はアムトラックとして運行されており、イエロードッグ線は南北数10mの線路が保存されている。

より大きな地図で


 南北戦争が終わり解放された黒人達は、職を求めてニューオリンズに集結し、やがてブルーズからジャズを生み出した。ニューオーリンズの紅燈街で発達したジャスは、第1次世界大戦の開始とともに 紅燈街が閉鎖され、職を失ったジャズメンたちはミシシッピー川をさかのぼり、このイエロードッグ線の貨物列車にもタダ乗りし、 メンフィスやセントルイス、そしてシカゴからニュヨークへと、北へ北へと発展していき、 都会に近づくごとに演奏スタイルが洗練され、ニューオーリンズ・ジャズから スイング・ジャズへ、そしてモダーン・ジャズへと進化を遂げていったということだ。
    
 ルイ・アームストロングと競演した St. Louis Blues が有名。また、ベッシー・スミスが主演した同名の ムービーフィルムも貴重だ ↓

       
         (Windows Media Player) 

【New:2013/9/28】
 このほど Wikimedia Commons でフリーの出版楽譜が手に入ったので、出版当時のオリジナルを再現すべく、楽譜ソフトで読み込み認識させ、かなり手間を掛けて修正しSMF Midi出力した。

 ”Memphis Blues"は楽譜を追いながら聞くと、なるほどナルホドと納得する譜割りで、素晴らしい完成度のブルーズであることが判る。約100年も前にこれほどの曲を作ったことに感服する。


●SMF Midiファイルをサイトにアップしたので、3曲の画像をクリックすると曲がダウンロードされ、聴くことができます;
"St.Louis Blues"
"Memphis Blues" "Beale Street Blues"
 
【年譜】1800年後半から1900年前半

1861 南北戦争終結、奴隷解放
1873 W.C.ハンディー、アラバマ州
    フローレンスで生まれる
1907 最初の曲"In the Cotton Fields of Dixie"が
     出版される
1909 "Mr.Crump"のちの"Memphis Blues"作曲
1912 "memphis Blues"出版
1912 "The Jogo Blues!のちの"St. Louis Blues"作曲
1914 "The St.Louis Blues","The Yellow Dog
     Blues"出版
1916 ”The Beale Street Blues"出版
1958 ニューヨークにて生涯を閉じる

     

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