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モーツアルトの交響曲を巡る四方山話
 作曲年代順に冒頭の第1主題などをMidi化

(下線のついた曲名をクリックすると曲の再生ができます】
ケッヘル K6 曲     名 調性 作曲年
16 16 交響曲第1番 変ホ長調 1765
19 19 交響曲第4番 ニ長調 1765
Anh223 19a 交響曲(新ロンドン) ヘ長調 1765
22 22 交響曲第5番 変ロ長調 1765
- 22a 交響曲(新ランバッハ) ト長調 1765
76 42a 交響曲 ヘ長調 1767
K43 43 交響曲第6番 ヘ長調 1767
45 45 交響曲第7番 ニ長調 1768
Anh214 45b 交響曲第55番 変ロ長調 1768
48 48 交響曲第8番 ニ長調 1768
100 62a 交響曲(セレナーデ第1番改作) ニ長調 1769
73 73 交響曲第9番 ハ長調 1769
81 73l 交響曲第44番(レオポルド作?) ニ長調 1770
97 73m 交響曲第47番 ニ長調 1770
95 73n 交響曲第45番 ニ長調 1770
84 73q 交響曲第11番(レオポルド作?) ニ長調 1770
74 74 交響曲第10番 ト長調 1770
75 75 交響曲 ヘ長調 1771
110 75b 交響曲第12番 ト長調 1771
120 111a 交響曲(アルバのアスカニオ) ニ長調 1771
96 111b 交響曲第46番 ハ長調 1771
112 112 交響曲第13番 ヘ長調 1771
114 114 交響曲第14番 イ長調 1771
124 124 交響曲第15番 ト長調 1772
128 128 交響曲第16番 ハ長調 1772
129 129 交響曲第17番 ト長調 1772
130 130 交響曲第18番 ヘ長調 1772
132 132 交響曲第19番 変ホ長調 1772
133 133 交響曲第20番 ニ長調 1772
134 134 交響曲第21番 イ長調 1772
161/163 141a 交響曲(シピオーネの夢) ニ長調 1772
184 161a 交響曲第26番 変ホ長調 1772
199 161b 交響曲第27番 ト長調 1772
162 162 交響曲第22番 ハ長調 1773
181 162b 交響曲第23番 ニ長調 1773
182 173dA 交響曲第24番 変ロ長調 1773
183 173dB 交響曲第25番(中期3部作の1)
ト短調 1773
201 186a 交響曲第29番 イ長調 1774
202 186b 交響曲第30番(中期3部作の2) ニ長調 1774
203 189b 交響曲(セレナーデK203改作) ニ長調 1774
200 189k 交響曲第28番(中期3部作の3) ハ長調 1774
196/121 207a 交響曲(偽の花作り女) ニ長調 1775
204 213a 交響曲セレナーデK204改作) ニ長調 1785
102 213c 交響曲(羊飼いの王様) ハ長調 1775
250 248b 交響曲(ハフナー・セレナーデ) ニ長調 1776
297 300a 交響曲第31番(パリ) ニ長調 1778
318 318 交響曲第32番(序曲) ト長調 1779
319 319 交響曲第33番 変ロ長調 1779
320 320 交響曲(ポストホルン) ニ長調 1783
338 338 交響曲第34番 ハ長調 1780
385 385 交響曲第35番(ハフナー) ニ長調 1783
425 425 交響曲第36番(リンツ) ハ長調 1783
504 504 交響曲第38番(プラーハ) ニ長調 1786
543 543 交響曲第39番(白鳥の歌) 変ホ長調 1788
550 550 交響曲第40番 ト短調 1788
551 551 交響曲第41番(ジュピター) ハ長調 1788
  モーツアルトの交響曲は第1番から41番まで番号が振られているが、K6では53曲となっている。

 K(ケッヘル)とは、モーツァルトの作品を時系列的に配列した番号で、ケッヒェル番号とも呼ばれる。
 モーツァルトの作品を表すために欠かせない世界共通の認識番号であるが、この作業を最初に行ったのがルートヴィヒ・フォン・ケッヘルで、1862年のことである。

 のちの研究によって作品の成立時期が見直されたり、作品が新 しく発見されたりした。そのため、ケッヘル番号は何度か改訂され、最新のものは第8版(K8)となっているらしい。
 特にアルフレート・アインシュタインの第3版(1937年)と、ギーグリンク、ジーベルス、ワインマンによる第6版(1964年)では大幅な訂正が行われた。

 このコンテンツは第6版(K6)に基づいて作成しているが、Wikipediaでは39曲が掲載されていて、K6で見直されモーツアルトの作と認められた、左表の黄色で塗りつつぶした14曲が載っていない。
 これはK8で見直された結果なんだろうか?

 なお、5曲目の「新ランバッハ」はK6でも番号がついていないが、モーツアルトの作といわれている。

 これらの交響曲中、最もよく知られているのが、最後の3大交響曲で、中でも第40番のト短調という調性と悲劇的な曲調から、彼の来たるべき死を予感させると、音楽フアンに人気が高い。
 かくゆう私も全音楽中でもっとも好きな曲であり、この曲をめぐる改変を別のコンテンツとしてアップしている。

 モーツアルトの交響曲中では、短調は僅か2曲であり特異だ。他の調性は下表のごとく3分の1がニ長調である。

ニ長調 18 33% ヘ長調 5 9%
ハ長調 9 17% 変ホ長調 4 7%
ト長調 7 13% イ長調 3 6%
変ロ長調 6 11% ト短調 2 4%

 これらの調性の傾向、片寄りは何を意味するのかわからないが、興味深いことではある。

 楽章の編成は3楽章が21曲、4楽章が32曲であり、特に後半の曲に4楽章が集中している。しかし、34番と38番「プラーハ」は3楽章だ。

 楽器編成は弦4部に管楽器が用いられている。弦楽部はヴァイオ リン2部とヴィオラ、そして低音弦の編成だ。
 モーツアルトの時代では、まだコントラバスが独立したパートでなく、低音弦としてチェロと同じ譜を、オクターブ低く補強しているだけだ。

 管楽器の用い方に特徴がある。

オーボエ 51 96% ホルン 53 100%
フルート 19 36% トランペット 21 40%
クラリネット 5 10%
ファゴット 18 34% ティンパニー 19 36%

 ホルンは全曲に用いられており、ほとんどが2管編成だ。25番と32番は4管編成となっている。
 オーボエを用いていないのは、18番、K6-141a、そして39番である。なお、40番は当初はオーボエを用いていたが、後にクラリネッ トを追加し、オーボエは書き換えられて脇役にされている。
 クラリネットは楽器の性能改善がなされて、31番「パリ」に初めて用いられたのは興味深い。しかし僅か5曲に用いられただけでではあるが、その音色と情感を余すところなく用いたのが、40番であることは注目に値する。

 また、管楽器を6種類も使っている3曲がある。K250、31番「パリ」、35番「ハフナー」で、いずれも12管とティンパニーも加わって華やかな音色である。

 * モーツアルト時代のヨーロッパ各地の、代表的な管弦楽団
   別コンテンツに掲載していますので、ご参照ください。
 * Midi曲についてのお断り:モーツアルテウム財団のサイトよりダウンロードした第1楽章冒頭の第1主題(曲によっては第2主題や、第1楽章全ても)を、スコアどおりに楽譜作成ソフトに打ち込み、Midi 形式で保存したものです。

  音色は全パートをピアノとしていますし、打ち込みミスや強弱など設定も不十分で、拙い出来ですが徐々に改善します。
 なお、プラハで木管楽器と弦楽器が対等の扱いとなり、木管と弦楽の対話や呼びかけ、応答が肌理細やかに為され居ます。
 従って 敢えて音源の非道さを措かして、木管群をそれぞれの音色としています。
 また、ト短調とジュピターは弦楽部も弦楽器の音色としましたが、特にジュピターは聴くに耐えませんので、 木管とピアノ版と、 全パートがピアノ版も掲載しました。お聴き比べ下されば幸いです。

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