ミラノの市街はドゥオモの大聖堂広場や、サンタマリア教会にスカラ座辺の中心から、波紋を描くように拡がってきたようだ。 地図を見るとよくわかるが、中心街から1~1.5km当たりに内環状道路が取り囲み、さらに1kmほど外側にも中環状道路がある。 街全体は高速道路の外環状ループに収まっている。路面電車とLRTのトラム路線は、中環状道路に沿って円を描き、中心街からは放射線状に郊外に伸びている。

 ミラノは郊外線を中心にLRT化が進んでいるが、旧来の路面電車も混在している。 それらのクラシックなピーターウィット型電車は、歴史あるミラノの市街風景によく溶け込み、将来にわたって残して欲しいと思う。

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 ミラノでの路電沿線散策は、中環状路線とその内側の中心街路線を、ランダムにストリートビューで追い、旧型の電車を片っ端から取り込んだ。 これらのピーターウィット型車両は、米国の技師が設計したもので、本来は全米路面電車業界のスタンダードであったが、1930年頃からヨーロッパでも製造された。 そのミラノ車両がサンフランシスコのトラム(ケーブルでなく海岸沿いのF線)に、里帰りしているのは微笑ましい限りである。

 その車両には当初の2軸固定型と、2軸可動ボギー台車が見られる。設計の特徴は乗降口を路面近くまで下げたところにあり、 この設計思想が今日の近代的低床LRT(ライトレール・トランジット)に生かされている。
路面電車でミラノ大聖堂までストリートビュー・アニメ(スライドショー)
   
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1500型1501号車は1927年に、2軸可動ボギー台車のプロトタイプで製造された
1500型1968号車、1929-1930年製造。右側通行で右にしか乗降口がないので、終点ループで方向転換をする
5月24日広場
1500型1681号車、1929-1930年製造。右側通行で右にしか乗降口がない
それでは市内名所巡りを
ドゥオモ広場と大聖堂
サンタ・マリア教会
ミラノ・スカラ座
マリーノ宮殿はスカラ座の前
サン・ロレンツオ大聖堂