星条旗を永遠なれ
"Stars and Strips for Ever"
John Philip Souza(1896)
威風堂々
"Pomp and Circumstance"
Edward Elgar(1901)
双頭の鷲の旗の下に
"Under the Double Eagle"
Josef Franz Wagner(1902)
 アメリカ第2の国歌ともいわれる、「星条旗よ永遠なれ」は海兵音楽隊長を退役、自らのバンドを率いていた1896年だった。  この曲は1931年に制定された現在の国歌とともに、1987年にレーガン大統領が、アメリカ公式マーチに制定された。  「威風堂々」はイギリスの作曲家であるE.エルガーが、1901年に作曲した5曲の管弦楽集の行進曲の、第1番の中間部を独立させ、 「希望と栄光の国」と名付けられた。
 このマーチは英国(女)王の戴冠式に必ず演奏される。
 「双頭の鷲の旗の下に」はJ.F.ワーグナーが1902年に作曲した曲。ワーグナーが当時オーストリア・ハンガリー帝国の軍楽隊長であった時期に作曲した。
 現在ではオーストリア陸軍第2師団の公式な行進曲に採用されている。

 ペリーの海兵軍楽隊が首里城への行軍で演奏したのが前国歌の、ヘイル・コロンビアだった。 そして、その年に生まれたスーザ)が、13〜20歳まで海兵軍楽隊に在籍し、1880年は第14代の音楽隊長に就任している。

 1854年 ワシントンで出生
 1867年〜1874年 海兵軍楽隊
 1880年 海兵軍楽隊長就任
 1892年 海兵退役/スーザ・バンド
 1896年 星条旗よ永遠なれ作曲
 1932年 死没

【スーザのマーチ作曲歴】 
・隊長就任まで:10曲
・軍学隊長時代:37曲
 −忠誠/雷神/ワシントン・ポストなど
・スーザ・バンド:88曲
 −自由の鐘/キング・コットンなど
 エルガーは1857年6月生まれ。父親は楽器商で教会のオルガニストも務めていた。専門的な音楽教育を受けることができず、独学によって作曲法を修得した。1899年、独創主題による変奏曲「エニグマ(謎)変奏曲」の初演の大成功によってエルガーは英国中にその名を知られるようになった。

 1901年には行進曲「威風堂々」第1番が作曲・初演された。本作の中間部の旋律は英国王エドワード7世に気に入られ、国王のために書かれた「戴冠式頌歌」に歌詞をつけて用いられている。
 この旋律は今日「希望と栄光の国」として愛唱され、英国の第2の国歌と称されている。1904年にナイトに叙され、また1931年准男爵にも叙されている。また1924年には「国王の音楽師範」の称号も得ていた。
 J.F.ワーグナーは1856年3月生まれで、、同世代のジョン・フィリップ・スーザにちなんで、「オーストリアのマーチ王」とも呼ばれる。タンホイザーの作曲者リヒャルト・ワーグナーと区別するため、J.F.ワーグナーと表記される。ワーグナー一族とは関係ない。

 行進曲は古典時代からバッハ・ハイドン・モーツアルト・ベートーベン・ワーグナーなどなど、純音楽の楽曲の歴史がある。それが軍事色を濃くする中で、軍隊用のマーチとして派生してきた。故に、スーザの星条旗が1896年、エルガーの威風堂々は1901年、そしてワーグナーの双頭の鷲が1902年(1880年代説もある)。ちなみに質は落ちるが?日本の軍艦マーチも1900年と、第一次世界大戦開戦前夜の暗雲を象徴している。

星条旗よ永遠なれ 威風堂々 双頭の鷲の旗の下に
 


 ピッコロのソロを吹く女性黒人楽隊員、めっちゃ小さくてカワユイ、前の植え込みがじゃまだなぁ…  2012年のBBC交響楽団の演奏と映像が素晴らしい。国歌や第2の国歌を聴いてこれだけ熱狂できる国が羨ましい。  オーストリアのチロル地方で、市民バンドがアルプスをバックに堂々の行進。金管がみ〜んなロータリーバブル!
 ググってPDF楽譜を手に入れたので、プリントして楽譜ソフト(スコアメーカー)で読み込んだ 。プリントの鮮明度がイマイチで、アナログ画像をデジタル音楽情報に認識させたが、誤認識は多くてかなり修正に手こずった。

 軍楽隊用の編曲で指揮者用の2段譜(コンデンス・スコア)、したがってこのままでは演奏することを意識したものでなく、 それを無理やりMidi(SMF:デジタル音楽フォーマット)に変換した。 案の定、低音部の伴奏音符が多くて、高音部のメロディーが負けている。
 高校時代に初めてブラバン(部活名は音楽部)に入った。それまでは兄譲りのハーモニカで楽譜は数字譜だった。 入学から少し遅れてブラバンに入って、楽器が足りずに渡されたのは部長の「バリトンだった。 サクソルン族のテナーホルンで中低音の円錐管ラッパ。高音から5段階の3番目で高音と低音の中継役。

 高音のメロディを増強したり、低音の手助けをしたりとエェとこどり。さらにオブリガードという対旋律を受持つという、おいしい位置づけの楽器だった。星条旗よ永遠なれでは、第2マーチと第1トリオはバリトンのソロ! YouTubeの動画でピッコロのソロで、バックに流れているなめらかなメロディがバリトンだ。
 スーザの時代のミリタリー・マーチでは、バリトンに独自の役割を与えていた。その後に同音域で太管の小(サクソル)バスの改良が進み、ユーフォニウムに進化し、バリトンは時代遅れで廃れてしまった。しかしイギリスの金管バンドでは未だに用いられている。 ボクも市の吹奏楽団を辞めるまで吹いていが、ドイツ圏のオーバル(楕円・たまご型)のバリトンが欲しかった。本家のリヒャルト・ワーグナーが開発したワーグナー・チューバは、マウスピース(唄口)がフレンチホルンで小さいが、ドイツのオーバル・バリトンは大きくてボクでも吹けた、はず?