都市の城壁・城郭シリーズ
世界の路面電車「線路地図」作成から派生したコンテンツ
ブカレスト(ルーマニア)
(Wiki)
 ブカレスト(Bucuresti)はルーマニアの首都で同国最大の都市である。南東部にありドゥンボヴィツァ川河畔の都市で、ルーマニアの文化、産業、金融の中心都市である。

歴史
 古代は川の流域に小規模な旧石器時代の集落が点在していた。鉄器時代にはインド・ヨーロッパ語族系を話す民族が居住していたと見られる。その後は古代のギリシャ植民都市やローマ人と商業的なつながりがあり、古代ギリシャの硬貨が発見され、ローマ由来の硬貨や宝石がで見つかっている。
 1459年に城塞がこの地に作られたと史書に登場する。以降、王宮の夏の離宮として整備されていく。1698年公国の都となり、貿易でも最重要都市になる。1800年代にはハプスブルク君主国、帝政ロシア、ロシア軍政下に置かれる。1848年にはクーデターでオーストリア帝国の管理下に置かれるなど激動の時代を経験する。
 連合公国は1881年にルーマニア王国に発展、町の人口は劇的に増加し絢爛たる建造物で都市が整備され、「東欧の小パリ」と讃えられる国際的な都市に成長する。
 第一次世界大戦中の1916年町はドイツ軍によって占領されたが、連合軍によって1918年に奪還された。大戦後、大ルーマニアの首都となった。第二次世界大戦の間、ブカレストは枢軸国の首都として、アメリカ軍とイギリス軍の重爆撃機によって大きな打撃を受け連合国に降伏した。
 1967年に大統領に就任した共産主義者チャウシェスクは、教会、修道院など中世から残る古い歴史的建造物を破壊し、無機質な社会主義的都市に代えていった。このような都市計画は醜悪な市民センターや、議会宮殿などに顕著に現れている。それでもいくつか歴史的な地区は残ったものの、かつて「東欧の小パリ」と呼ばれた美しい街並みの面影は殆どない。
 1989年のルーマニア革命で民主化され、経済が回復し好調になると共には近代化され、歴史的地域はかつての輝きを取り戻しつつある。



  左の緑の館が現大統領公邸の宮殿、右側は現国立美術館の元王宮





 大統領宮殿は1888年に古い修道院の敷地に建てられたが、チャウシェスクは宮殿のゲストハウスを作って、古い教会は取り壊された。1991年以来、宮殿はルーマニアの大統領の公邸と、国立博物館として使用されている。



           旧王宮は国立美術館になっている